ハンター

猟銃等講習会(初心者講習会)の詳細とテスト対策!


0.はじめに!

我が国では、豊富秀吉が行った「刀狩令(1588年)」以来、銃器のの所持・使用等に関しては、厳しい規制が行われてきました。それが今日世界に誇れる良好な治安を維持してきた大きな要因であると言われています。

(猟銃等取扱読本_第1編_第1章:猟銃・空気銃所持者の社会的責任 より引用)

銃が厳しく規制されてる日本で、合法的な銃の所持ができる立場がごくごく限られているけど、YouTubeで色々な動画を見て気持ちが昂ってきたので、いよいよ本格的に取り組むことにしました!

初心者講習会で渡されるテキストの一番初めに書いてある文章は、日本の銃規制の起源と、それ故に世界に誇れる良好な治安という因果を明確に表していて「なるほどなぁ」と思ったので載せてみました。

この記事シリーズでは、普段あまり馴染みのない銃砲や狩猟について、取得までの過程や各種テストの様子や対策について書いていきたいと思います。

色々なステップがあるし、厳しい審査もあるので途中で更新が止まったらダメだったんだと大目に見てください!ではでは。

1.銃砲の所持までのステップ

  • 銃砲の所持
  • 狩猟免許の取得

この2つは全く別のプロセスになります。
狩猟免許の取得については別でやりますので、今回は銃砲の保有に関してのステップを紹介します。

【猟銃の所持及び射撃練習に関する手続一覧表】

猟銃等取扱読本より筆者作成

上に整理したものが、銃砲の保有までにかかるステップになります。
はっきり言って長い・・・と思いましたが、銃が厳しく規制されている日本では仕方ないことですし、おいそれと誰でも持てるという方が逆に怖いので仕方ないと思いなおしました。

尚、技能検定のステップをグレーとしているのは、通常、技能検定から受ける人はいないためです。群馬県では記事執筆時点でそもそも実施していません。

理由は、技能検定を受けるのは、すでに銃砲の取扱に慣れていて一発試験を受けるような方が対象になっているから。

自動車免許を例にとれば、通常は教習所に通い技術を身につけ、それをテストして合格する。という形になりますが、技能検定は一発試験で合否判定を判断する形になります。

テキスト上ではうまく理解できなかったのですが、警察の方に教えていただき、ストンと腹落ちしました(笑)
群馬県ではそもそも実施していないのであれですが、もし技能検定から入る人がいるとすれば、元警察官や元自衛隊、またはフランスの外国人部隊出身の方くらいですかね(詳しくは知りませんので、参考にしないでください)。

そして、今日の話は、銃砲所持のための第一歩、『猟銃及び空気銃の初心者講習会』の話になります!

2.猟銃及び空気銃の初心者講習会

私は群馬県に住んでいるので、群馬県内で手続きを進めていきます。もしかすると自治体によって若干の差があるかもしれませんので、最終的には各自治体の担当部門に確認してください。

2.1.講習会への仮申込

群馬県では『ぐんま電子申請受付システム』なるシステムから講習の仮申込を行い、応募者多数の場合は抽選。という形でした。

直近で実施される講習会に申し込んでしばらくすると、登録したメールアドレスに講習会に当選したと連絡がありました。

ここで注意しなければいけないのは、初心者講習会そのものの申込手続きは完了していないということ。
申込手続きの完了には、期日までに住所地を管轄する警察署で手続きを済ませる必要があります。

2.2.初心者講習会の申込手続きについて

手続き自体はさほど面倒なことは無いのですが、しいてあげればこんな感じ。

  1. 証明写真の撮影:数百円
  2. 警察者へ申込書持参の連絡
  3. 手数料(証紙の購入):6,900円

もちろんその他に書類の記載もありますが、この位です。とくに注意が必要なのは「2.警察署への申込書持参の連絡」でしょうか。

大きな警察署ではこの限りではなく、担当の方が不在でも別の担当の方が対応いただけることもあるかと思いますが、不慣れな方で申込手続きが円滑に終わらないことや、最悪、再度訪問する可能性もあります。

私は仕事を休んで申込に行く必要があるため、何かあったら嫌なので、事前に警察署に電話をして訪問のアポイントを取って持参しました。

なかなか警察署に電話するというのは勇気が要りますが、これまで警察署や県警の本部に連絡をさせていただいた中で嫌な思いをしたということは一度もありません。
こちらもきちんと話をするという大前提はあると思いますが、電話口の方、担当の方、みなさん本当に丁寧に対応をしてくれましたし、訪問日程についても柔軟に対応をいただきありがたかったです。

ちなみに、どこの警察署でもOKというわけではなく、住所地を管轄する警察署に申し込む必要があるので、この点にも注意してください。

警察署の窓口が分からない場合は電話口で『猟銃等初心者講習会の申込に行きたいので、担当の部署をお願いします』とお伝えすれば問題なく繋いでもらえると思います。また、手数料の証紙についても、電話でアポイントを取る際に警察署で購入が可能かも聞くといいと思います。

申込が無事に完了すると、警察署で初心者講習会のテキスト『猟銃等取扱読本』が貰えます。

2.3.猟友会主催の『猟銃等初心者講習会対策学習会』について

無事に初心者講習会への申込が完了したら、この記事で一番重要な『初心者講習会での試験対策の勉強の話』に入ってきます。

ぶっちゃけ、手続きなんてものはある面どうでも良くて、本番の試験に受からなければ話になりません。

ちなみに、初心者講習会当日は、講師(警察の方や猟友会の方)の講義の後に試験がありますが、これ、50問中45問以上(9割)取らないと受かりません。
感覚的には、普通の大人であれば何もしなくても35〜40点位は取れると思いますが、合格水準まで点を引き上げるためには、事前の勉強が必須という印象です。

引っ掛け問題のようなものもあり、運転免許証の試験をイメージいただくのが一番近いと思います。

また、事前に勉強をして1発で受かった方がいい最大の理由があります。それは・・・・

落ちた場合、初心者講習会のテスト前の長時間の講義をもう一度受けなければならない!

これだと思います。

初心者講習会のタイムスケジュール(地域によって差はあると思います)は、9:00に集合(遅刻厳禁)で、お昼休憩を挟み15:00まで講義。
その後、60分のテスト(50問の⚪︎×問題を60分で解くので、時間はめちゃくちゃ余ります。見直しを3回はしましたが、それでも時間は余りまくります)、採点時間もあり、概ね17:00に終了。

という形です。これ、正直ツラいです。

講義の内容は基本的にテキストをなぞる形。時折、警察の方や猟友会の方が、実務経験を交えた話をしてくれるのがとても勉強になりますが、それでも同じ内容の長時間の座学を複数回受けるのは、精神的にも金銭的にも負担が大きいと感じました。

なので、少し勉強すれば合格点は確実に取れる内容のテストなので、事前に対策をして臨むのが最良であるということ、強くオススメします!

本題に入ります。

猟友会主催の、対策学習会について!

これも開催する地域によって多少の差があるのではと思いますが、私の時は、事前申込(電話でOK)を行い、当日は猟友会の方で作成しただいたレジュメをベースに試験範囲(猟銃等取扱読本の内容)を学び、最後に模擬試験を実施する。という形でした。

模擬試験もいくつか種類をもらえたため、この後紹介する対策問題集の購入は要らないかもしれませんが、回答解説が充実しているという点では、問題集に軍配が上がります。

直前のテスト対策だけでも十分合格レベルに達すると思いますが、人間、一度学んだことを少し間を空けてもう一度学習することで、きちんと知識として頭に定着することが証明されています(エビングハウスの忘却曲線)。

なので、

  1. 対策学習会で全体を学ぶ
  2. 問題集を使って知識として定着(とは言っても、問題集を2〜3回転くらいで十分と思います)
  3. 仕上げ(確認)という意味で、本番の初心者講習会の講義を受ける

というのが、確実に合格するための理想系ですね。

人間、なかなか勉強の腰が上がらなくても、猟友会主催の対策学習会が強制的なスタートラインとしてうまく機能します!!

2.4.対策問題集について

対策問題は、絶対にやった方がいいと思います。

WEBでの学習も出来ると思いますが、実際の試験は紙で行われるということもあり、今回は紙ベースでの問題集について記載します。
問題集は、以下の2つがメジャーです。

  • 猟銃等講習会(初心者講習)考査
  • 猟銃等講習会試験対策例題集Ⅲ

違いは「猟銃等講習会試験対策例題集Ⅲ」は問題のみ、「猟銃等講習会(初心者講習)考査」は講習会の内容をかみ砕いて説明した内容と問題がセットになっている点でしょうか。

警察からもらう「猟銃等取扱読本」は、範囲を網羅する教科書的な位置付けにある点、内容が理解しやすいかと言われると、少し難があると思います。なので、もう少し理解することに特化し、かつ予想問題も解きたいという場合は、「猟銃等講習会(初心者講習)考査」を購入するのが良いとおもいます。

一方、問題をとければいい。そこにある解説で分からないことは、猟銃等取扱読本とWEBで調べればいい!
という方は「猟銃等講習会試験対策例題集Ⅲ」の方が値段も安いので良いと思います。ぶっちゃけ私もそちらでした。

ただ「猟銃等講習会試験対策例題集Ⅲ」は入手難易度が少し高い可能性がありますので、その辺りはご自身の都合に合わせて選択してみてください。
私は猟友会主催の対策学習会から家に帰る道すがら、銃砲店にモチベーションを上げるために立ち寄り、銃砲店で購入しました。

勉強の仕方

これは個人差もかなりあると思いますが、以下の形で行うの基本にしてください。

  • 問題を解き、間違えたところに“×”、自信が無い問題に“△”を付け、まずは問題を解き解説を確認する
  • 問題集を一周したら、“×”と“△”の印の部分をもう一度やり、正解したらその印を消す(なので鉛筆でチェックするするといいです)
  • “×”と“△”がなくなったら、付属している模擬試験を行う
  • 模擬試験で間違えた部分を、解説、猟銃等取扱読本、WEB検索などで、完全に理解する

これを最低2セット、自信がつくまでやります(私は2セットやりました。それで当日の試験はほぼ満点が取れた感触です(私の地域は、合格者は点数を教えて貰えなかったため))。

ちなみに自信が無い問題に△を付ける理由は問題が⚪︎×の2択のため、理解をしていなくても正解となってしまうケースがあるからです。
なので、自信が無い問題は回答しなくても良いのですが、100%これが正解!と思う選択でなければ、△を付けておくのが良いと思います。

文章にすると「めんどくせぇ」と思いますが、⚪︎×問題なのでスイスイ進みますし、思ったほど時間は取られません。
問題を解くポイントは、出題の傾向、とくに悪意的な引っ掛けの傾向を掴む。ことにあるので、この点を意識して学習しましょう。

感覚てには、試験当日の3日間で十分対策は可能と思いますが、学習に割ける時間にも差があると思いますので、うまく調整してみてください!

2.5.初心者講習会当日

ここまで準備をしっかりしていれば、当日は特に意識することはありません。心に余裕を持って講義と講習に臨めると思います。

ただし・・・

  • 当日遅刻は厳禁
  • 試験の見直しは最低2回

これだけはしっかりしましょう。

猟友会主催の対策学習会でも、当日は絶対に遅刻はしないこと、また、万が一試験が不合格でも激情的に講師や警察に詰め寄ることは絶対にダメと教えてもらいました。

まぁ、試験は個人の理解度を確認するためなので怒っても仕方ないと思いますが、そんなことで感情的になってしまう人に、一般的に所持が禁止されている銃砲を所持させたいか?と考えれば、答えNOですし、何よりも警察からの印象は悪くなります。
遅刻に関しても、『時間を守る=ルールを遵守する』 という人間性を見られていると考えれば、納得です。

通い慣れた通勤路と違って、試験会場への道のりに慣れていない場合は時間に十分余裕を持って行くのが吉です。朝の通勤ラッシュは舐めちゃダメですね。。。

3.おわりに

想定よりもずいぶん長い内容になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。

銃砲の所持のための第一歩、初心者講習会とテスト対策について書かせていただきました。

受講される方がいらっしゃいましたら、全体の流れの把握、およびテスト対策に少しででも役立てていただければ大変嬉しいです。

ではでは!


-ハンター
-